魚油(DHA・EPA)の効果

魚油(DHA・EPA)の不足が日本人の健康に大きな影響を与えている!?

魚を食べると頭がよくなるって本当?

戦後食生活が欧米化したことで日本人の脳と体は大きく影響を受けたといわれています。プラスの影響としては身長や体重の値が増えて 身体が大きくなったことでしょうね。

例えば1945年の日本人の30代の平均身長&体重は、男性:160.3p/55.3s、女性:148,9p/49.2sですが、2007年には男性:171.4p/70.0s、女性:158,0p/53.0sと大幅にアップしています。

マイナスの影響としては、ガン、痴呆症、アレルギー、加齢黄斑変性症、狭心症、脳卒中等らが増えているということです。 このマイナスの影響の背景には、戦後「魚離れ、野菜嫌い、油漬け」が進んだという事実があります。

なかでも特に注目したいのが、毎日食べて体内に取り入れている脂肪酸の種類が昔といまでは大きく変わってしまったということです。 これをもっとわかりやすく説明すると「魚油(DHA・EPA)の摂取量が減って、牛・豚といった動物性脂質(飽和脂肪酸)とリノール酸(オメガ6系脂肪酸)が増えた」ということになります。

昔の日本人にとって魚というのは準主食といえるものでした。仏教の影響もありましたし、畜産業というものがほぼない状況でしたし、海に囲まれた 海洋国家ということで動物性のタンパク質や脂質といえば魚だったわけです。

しかし、戦後は欧米から肉食の文化と油を使った料理が普及したこともあって日本人も動物性タンパク質として牛や豚を食べるようになりました。 そして炒める・揚げるという新しい調理方法が加わったことで料理のレパートリーは増えたものの、魚油とは違うタイプの脂肪酸(リノール酸)を摂取することが急激に増えました。

魚かではなく牛肉や豚肉を食べるようになったから生活習慣病が増えたと考えている人は多いと思うんですが、もう一歩踏み込んで考えると食事から 摂取する脂肪酸が変わったことが実は日本人の脳と体に一番大きな影響を与えているということがわかるんです。

※参照・脳を活性化する〜DHAなど栄養素一覧&神経伝達物質の解説

魚油・動物性油・植物油など「脂質」についての簡単な説明。

油といってもいろいろあります。動物性油と植物油ぐらいは誰でも知っていると思いますが、さらに詳しい分類やそれぞれの油(脂質) の体に対する作用となると理解しているという人は少なくなるのではないかと思います。

ということで脂肪酸について説明しますね。主に3つに分けられます。

@ 飽和脂肪酸 パルミチン酸/ステアリン酸

不飽和脂肪酸
Aオメガ6系列脂肪酸 リノール酸 γ-リノレン酸 アラキドン酸
Bオメガ3系列脂肪酸 α-リノレン酸 DHA EPA

常温で固まる油が「@飽和脂肪酸」で主に動物性の脂質がそうですね。常温でも固まらない油が「不飽和脂肪酸」です。そして不飽和脂肪酸のなかでも Aオメガ6系列脂肪酸(主に植物油)とBオメガ3系列脂肪酸(魚油)に分けられるということです。

飽和脂肪酸が摂り過ぎると体に悪いということは早くからわかっていたのですが、オメガ6系列脂肪酸の過剰摂取の悪影響がわかるまでは ちょっと時間がかかりました。そのため植物油は体にいいと思っている人がいまでもいます。しかし、実際はオメガ6系列脂肪酸も過剰摂取することで 飽和脂肪酸以上に発がん率を上げたり、動脈硬化やアレルギーの原因になることがわかっています。

オメガ6系列脂肪酸も必須脂肪酸であり、体にとって必要な油(脂質)なので決して悪者ではないのですが、今の日本人はオメガ6系列脂肪酸を過剰摂取している状態です。 反対に魚離れからオメガ3系列脂肪酸(DHA・EPA)が不足してしまっているため、体内の脂質バランスが著しく乱れてしまってアレルギーや認知症、欧米型ガン、心臓病、脳卒中、動脈硬化といった健康上の大きな問題として表れているわけなんですね。

魚油(DHA・EPA)は1日の目標摂取量は500r〜1000r

オメガ6系列脂肪酸とオメガ3系列脂肪酸の2つの脂肪酸は体内で互いに牽制しあいながら働くため一方の働きだけが増強されると作用バランスが崩れて 脳や体にさまざまな問題が現れてきます。今の日本人の食生活を油(脂質)の視点でみるとあまりにオメガ6系列脂肪酸のものが多く、オメガ3系列脂肪酸が 不足している状態です。

リノール酸(オメガ6系列脂肪酸)偏重の日本人の食生活については厚生労働省も危機感をもっており、厚生労働省は1日あたり1000rのオメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)の摂取を 推奨しているほどです。「もっと魚を食べましょう」というPR活動を国を挙げてやっているのはそういうことも関係しています。

研究者の間ではDHAの効果を実感するには1日あたり500r〜1000r摂取すれば十分といわれています。某DHAサプリメントの通販番組の影響でDHAを普段の食事から摂取するのは 難しいと思っているかもしれませんが、実際はそんなことは全然ありません。


・イワシなら20センチぐらいのもので2尾
・マグロの中トロなら2切れ
・ブリで1切れ
・サバなら半身
・サンマなら1尾


これでだいたい1日あたり500r〜1000rのDHAは摂取できますから朝・昼・晩の3食のうちどこかでその時の旬の脂の乗った魚を食べれば それでしっかりDHAは摂取できるということです。

1つだけ注意しないといけないとすれば魚の調理方法です。刺身にしたり、焼いたり、煮たり、鍋にいれたりと魚の調理方法はいろいろ あるわけですが、調理方法によってはDHA・EPAをたっぷり含有した油が落ちてしまって含有量が20%程度減少してしまうからです。

魚に含まれるDHAを丸ごと摂取できるのは、お刺身です。ただ、毎日お刺身ばかりではさすがに飽きてきますからいろいろアレンジして 美味しく食べたほうがいいです。毎日継続して摂取することが大事なので、そのへんはうまくバランスを取るようにしましょう。